オーバーヘッドキック

 南アフリカで開催中のサッカーのワールドカップが盛り上がっている。日本代表も頑張ってくれたので、余計に熱が入るところだ。

 思い出すのは、京都産業大学の体育の時間に、始めて目の前で見たオーバーヘッドキックだ。

 今はどうか知らないが、京都産業大学では、3回生時の体育は専門種目をとることになっていて、ラグビーにしようか迷ったが、中学校時代に入りたかったのにサッカー部がなかったこともあって、1年間やるならサッカーをやりたくて、サッカーを選択した。

 京都産業大学からちょっと山手に入った、二軒茶屋のグランドでの週1回のサッカーが楽しみでもあったが、同じ授業を受けるメンバーの中には京都産業大学体育会サッカー部の部員が数人いて、一緒にゲームをした。

 当時、体育会運動部員は、体育の授業には出なくても、別途所定のレポートを提出すれば単位を取得できたと思うので、体育の授業には出席しない運動部員が多かったはず。

 しかし、サッカー部の連中は、毎回体育の授業に出席していた。高校時代の練習着と思うが、着ているTシャツの左胸の刺繍には高校名が。

 全国大会常連の高校だった。そいつらのプレーのすばらしかったこと。見事なパスワーク、ヘディング。そしてなんと言っても、ゴール前で見せてくれたオーバーヘッドキックが忘れられない。

 始めて生で見たオーバーヘッドキックは、見事にゴールネットを揺らし、まさか体育の授業でそんなプレーを見ることができるとは思っていなかったので、サッカー部の連中とのプレーは、毎週楽しみでもあった。

 あいつらは今頃何をしているのだろう。今でもサッカーをしているのか。それとも子どもにサッカーを教えていたりするのだろうか。そういえば結構イケメンのやつもいたよな。

 ワールドカップサッカーですばらしいプレーを見る度に、あの二軒茶屋のグランドで見た、すばらしいオーバーヘッドキックを思い出す。